子どもがいる場合の離婚では、「親権をどちらが取るか」だけを考えるのでは足りません。離婚後も続く子どもの日常生活を、親権・監護・養育費・親子交流まで一つのまとまりとして考えます。
離婚後の親権者について、父母双方を親権者とする場合と、一方のみを親権者とする場合が設けられています。共同親権・単独親権のどちらか一方が法律上の原則とされているわけではありません。
まず「子どもの現在の生活」を確認する
制度の名称より先に、現在の生活を整理します。
- 子どもは現在どこで暮らしているか
- 日常の食事、送迎、学校対応、通院等を主に誰が担っているか
- 学校・保育園・習い事・医療などの状況
- 父母それぞれと子どもの関係
- 別居や転居によって生活がどう変わるか
離婚後の仕組みは、現実の生活から切り離して決めることはできません。
共同親権と単独親権
裁判所が判断する場合には、子の利益のため、父母と子との関係、父母相互の関係その他一切の事情を考慮して、父母双方とするか一方とするかを判断します。また、共同で親権を行うことが困難であるなど、単独親権とすべき場合も定められています。
共同親権でも、すべてを二人で決めるわけではありません
父母双方が親権者である場合でも、すべての日常事項について毎回共同で決定する仕組みではありません。日常の行為や、子の利益のため急迫の事情がある場合などには、一方の親が単独で親権を行使できる場面があります。
親権と、実際に子どもを育てること
離婚後の子どもの問題には、親権者の指定だけでなく、監護者、監護の分掌、子どもの生活場所などの問題があります。誰が日常生活を担い、重要な事項をどう決めるのかを具体的に考える必要があります。
養育費
離婚後も父母は子どもの養育に責任を負います。養育費については、父母の収入や子どもの人数・年齢などを踏まえて検討し、家庭裁判所では標準算定方式・算定表が活用されています。法定養育費は暫定的・補充的な制度であり、通常の養育費の検討が不要になるわけではありません。
親子交流
子どもと離れて暮らす親との交流についても、親同士の感情だけで決めるのではなく、子どもの年齢、生活状況、これまでの関係、安全上の事情などを踏まえて考えます。父母間で合意できない場合には、家庭裁判所で親子交流に関する調停・審判を利用することがあります。
学校・進学・医療
子どもの日常生活では、学校行事、通常の受診などから、転校、進路、重要な医療までさまざまな意思決定があります。共同親権の場合でも、行為の性質によって誰がどのように決めるかは分かれます。
親権、監護、養育費、親子交流を一体として整理します。